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スウェーデン・フインランドの終末期ケア(3回目)

 高度在宅医療部(サバツベリ病院)スタッフの話


 前回、病院の平均入院期間は10日程度、それが実現しているのには、在宅医療部が大きな役割を果たしていると書きました。今回は、その活動の様子をご紹介しましょう。
 ここが対象にしているのは、すべて成人で、60%以上がガンの患者です。
 ほとんどが終末期のガンで、抗ガン剤治療を受けていますが、自分の家で過ごしたいという人が多いそうです。どこの国の人も、願うことは我が家での療養ですね。ホスピスの希望も多いとか。
 以前は終末期の方のみを対象にしていましたが、近年は早めに依頼書が来るようになり、利用期間も増えて、1年を超える人も多くなりました。ガン末期の老人の場合は、在宅期間はだいたい3~6カ月です。
 在宅医療を受けている人は、「一人暮らし」と「家族同居(夫婦も)」とが、半々くらいです。「一人でも、我が家からあの世に行ける!!」、そういう態勢があるということです。このことは、非常な驚きであり、日本と大きく違うところだと思いました。
 「日に6~7回、頻繁なケアが必要な人もいます。他にコンミューンからホームヘルパーも行っています」
 「救急車を呼ぶことは、非常に稀です。でも遠い親戚が最期にやってきて、不安に駆られて呼ぶこともありますが」
 日本と同じ「遠くの親戚現象」は、どこの国でもあるようです。
 予約している人が、50~60人。これに対してスタッフは、ドクター2人、正看護師16人、他にパートとか、24時間態勢のための夜勤シフト要員がいます。深夜勤のナースは専門で1名。深夜勤のみの勤務は非常に人気があり、1名募集に5名の応募があるということです。他に、OT,PT,カウンセラー、栄養士などがいます。
 この在宅医療部が、退院支援、在宅療養を支えています。

 胃ろうについて
 2回目で述べたように、胃ろうはほとんどしていません。とくに認知症末期の患者、余命があと1週間というような時にはしません。たまに、脳血管障害で、まだアクテイビテイが残っているような場合につけることはあります。
 まれに家族から「胃ろうをつけて欲しい」といわれることがあります。そんな時は「点滴をしましょう」といい、4日ほどはつけるそうです。あとは、精神科のドクターがコンタクトをとります。「点滴は家族のための情緒的ケア」といわれています。じつは、これは日本でも同じ、「何もしないのは胸が痛む。点滴は情緒ケア」といわれていることです。
 老年科チーフ、ヨーラン・ボーストルームさんの話です。
 「胃ろうをつけることは非倫理的であり、とくに認知症末期の患者にはしません。常にどのような効果があるかを考え、家族との話し合いで決めるけれど、決定権は医師にあります。事前医療指示書のようなものがあった時には従いますが、稀なことです」
 日本で最近よくいわれている「事前医療指示書」。しかしスウェーデンでは、胃ろうなどの終末期医療そのものがないのですから、そういうことを書き置く必要もないということです。
 人工呼吸器をはずすのは医師の決定です。医師は免責されていて、犯罪には問われないということです。
 誤嚥性肺炎は、この病院では1カ月に1回起こるかどうか。言語療法士が関わり、どのようなタイプの食事がいいかなどアドバイスしています。後のフインランドでの研修も含めて、北欧では食事介助に力を入れていると感じました。「最期まで自分の口で食べる。食べられなくなったら人生の終わり」ということです。胃ろうはしないけれど、食事介助に力を入れるというのは、非常に人間的だと思いました。
 たんの吸引は正看護師が行っています。その後訪れた老人ホームでは、「たんを溶かす薬を使っている」ということでした。
 ドクターは58歳の方、自分は、延命医療は受けたくないと話していました。これは
次回ご紹介する高齢者へのインタビューとまったく同じ考え方でした。

インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by n-okifuji | 2012-07-19 16:12